野球を観戦していると他の選手より打率が高いのに首位打者じゃない…って場面見たことありませんか?
これは「規定打席」というものが影響しているからなんですね。
でも規定打席っ何?どういう仕組み?という方に今回はわかりやすく規定打席について紹介していきます。
プロ野球の規定打数とは?
規定打席とは、
プロ野球でリーグが発表する打撃成績ランキングの対象となるために必要な打席数のことをいいます。
どうしてこの規定打席というのが必要なのかというと、打席数の少ない人と多い人では打率に不平等が生まれてしまうからになります。
ん?イマイチわからない…という方のためにわかりやすいように極端な例を挙げて解説します。
シーズンフル出場している選手Aが400打席中120安打していたとします。
この時の打率は.300となります。
次に主に代打で出場する選手Bが20打席中8安打していたとします。
この時の打率は.400となります。
この年の首位打者は打率.400のB選手です!と言われたら不平等に感じませんか?
極論1打席中1安打で打率10割の選手がいて首位打者になってしまったら、フル出場している選手たちはほぼ首位打者を取ることが不可能になってしまいます。
だからこそ、打席数が一定以上の選手からランキングを作らなければならないということです。
プロ野球の規定打数は何打席?
2022年のプロ野球1軍の試合数は143試合なので規定打数443打席になります。
規定打数の算出方法は至ってシンプルです。
所属している球団の試合数×3.1=規定打数となります。(小数点以下は四捨五入)
この計算式はメジャーリーグとプロ野球の1軍に適応されます。
プロ野球の2軍は
所属している球団の試合数×2.7=規定打席数という計算式になります。
つまり、2022年のプロ野球1軍の試合数は143試合なので規定打数は143×3.1=443.3となるので443打席ということになります。
規定打席の例外
上記で規定打席数に到達していない選手はランキングの対象ではないと言いましたが例外があります。
原則として首位打者と最高出塁率のタイトルは規定打席到達者が対象となりますが、例外的に規定打席に到達していない選手が受賞することがあります。
どのような時に首位打者や最高出塁率のタイトルを獲得できるのかというと、規定の打席数に到達していない選手が不足している分の打席数を加算した場合でも打率、最高出塁率がランキング1位であった時は首位打者や最高出塁率のタイトルを獲得することができます。
例をあげてみましょう。
規定打席数443打席とします。
選手Aが500打数150安打
選手Bが350打数130安打
選手Cが400打数140安打
だったとします。
この時の打率は、
選手Aが打率.300
選手Bが打率.371
選手Cが打率.350
となります。
ただし、選手Bと選手Cは規定打数に到達していないので首位打者は選手Aになると思いますよね。
例外規定に当てはまるか考えてみましょう。
選手Bが規定打席に到達するにはあと93打席必要になります。
この93打席全て凡退したと仮定した時の打率は、
443打数130安打になるので打率.293となります。
選手Cが規定打席に到達するにはあと43打席必要になります。
この43打席全て凡退したと仮定した時の打率は、
443打数140安打になるので打率.316となります。
よってこの結果を反映させてみると、
選手Aの打率.300
選手Bの打率.293
選手Cの打率.316
となります。
例外規定を考慮しないと選手Bが1番打率が高く見えますが実際首位打者となるのは選手Cということになります。
この時の記録は不足分の打席数を加えていない時点での打率が記録となります。
よって首位打者は選手Cで打率.350という記録になります。
記録に残すために重要な規定打席数ですが他にも選手が年間通して試合に出ていたという記録でもあります。
若手の選手がまず目指すのが規定打席到達ではないでしょうか。
規定打席に到達するということはレギュラーとして試合に出続けていたということになるのでまずは目指したい記録です。
プロ野球の規定打数歴代回数ランキング
ここで歴代の選手で規定打席に到達した回数が多い選手を見てみましょう。
1位 王貞治 実働年数22年 規定打席到達回数21回
2位 衣笠祥雄 実働年数23年 規定打席到達回数20回
3位 張本勲 実働年数23年 規定打席到達回数20回
4位 野村克也 実働年数26年 規定打席到達回数20回
5位 門田博光 実働年数23年 規定打席到達回数19回
となっています。
歴代のレジェンドたちが名を連ねていますね。
規定打席到達回数が多いほどレジェンドたちに近づくことができるのではないでしょうか。
まとめ
今回は、プロ野球の規定打数とは?計算方法や意味を詳しく紹介について紹介しました。
規定打席は試合数応じて変化しますので
2022年のプロ野球1軍の試合数は143試合なので規定打数443打席になります。
なかには例外もあるので、しっかりと規定打席の理解を深めて野球観戦を楽しみましょう!