以前は見かけなかった野球場のダートサークル。
プレーをしていても、このサークルにどんな意味があるのか、関係するルールはあるのかを考えずに見過ごしがちなラインです。
今回は、ダートサークルが設けられた背景や、試合にはどう関わってくるのかを解説しましょう。
バッターボックスの周りの円「ダートサークル」ってなに?
ダートサークルとは、半径約4メートルでホームベース付近の後方に、半円で表された部分のことを言います。
土のグランドでは白線で表示し、人工芝などのグランドでは芝と土の境界で示されています。
公認野球規則には「ホームプレートを囲む土の部分」と記載されています。
設けられたのは比較的新しく、2007年から導入されました。
ただし、プロ野球の場合、内野が土の球場にはこの表示はされておらず、主審の裁量に委ねられています。
では、なぜこのようなエリアが定められたのでしょうか。
ダートサークルができた理由は振り逃げがきっかけ
きっかけは、打者が三振した際、捕手がボールを完全捕球できなかったという、いわゆる「振り逃げ」のルールが大きく関係しています。
以前は、三振したバッターがいったんベンチの直前まで帰りかけたものの、アウトのコールがなく、振り逃げができることに気づいて、途中から一塁へ駆け出し試合進行に支障をきたすこともありました。
そこで、バッターが振り逃げ可能であっても、一塁へ向かう意思が見られない場合は、ダートサークルを出た時点でアウトとなるというルールが設けられました。
また、人工芝や内野が芝生の球場では走者の怪我防止という目的も含まれているようです。
ダートサークルでプレー中に注意すること
プレー中あまりダートサークルを意識することはないと思いますが、注意しておかなければならない点があります。
自らが打席に入った場合、勝手にダートサークルを出てはいけません。
試合の遅延行為とみなされてしまいます。
そのため、一度バッターボックスに入ったらサインを確認する時や素振りをする際も、必ずサークル内で行うということを覚えておくことが大切です。
自打球が当たったなど、一度ベンチへ帰って治療する場合にもタイムの宣告が必要で勝手には出ないようにしましょう。
ここはしっかりと頭に入れておく必要がありますね!
まとめ
バッターが三振をしたけれどプレーが続行され、ダートサークルを出た時点で初めて審判がアウトのコールをするといった疑問が、この記事を読んで頂き解けたのではないかと思います。
曖昧さをなくし試合進行をスムーズにした点で、画期的なルールの導入と言えると思います。普段は目立たない、地味な白線ですが重要な役割を果たしています。プレーの際も覚えておくと役に立つと思います。