2026年に北中米で開催されるワールドカップに向けて動き出した新生森保ジャパン。その船出となったのが3月24日、28日に行われたウルグアイ、コロンビアとのキリンチャレンジカップです。
日本で行われる国際親善試合の多くは「キリンチャレンジカップ」と呼ばれていますが、何か名称の由来があるのでしょうか。調査、まとめていきます!
キリンチャレンジカップとは
キリンチャレンジとはサッカー日本代表(日本女子代表や年代別日本代表を含む)の国際親善試合のうち、日本サッカー協会 (JFA) が主催する試合のことを言います。
「キリン」チャレンジカップというのは、日本サッカー協会のオフィシャルスポンサーであるキリングループが特別協賛をしているからであり、過去にはMS&ADインシュアランスグループホールディングスが特別協賛する「MS&ADカップ」などもありました。「カップ」と銘打たれていますが、継続的に開催される大会ではなく、ほとんどがワンマッチ形式の試合です。
勝利チーム(引き分けの場合は両チーム)には勝利者杯(キリンチャレンジカップ)と、副賞としてキリングループの飲料がそれぞれ1年分贈られています。
ちなみに、日本代表の国際親善試合でもキリングループが協賛しつつもキリンチャレンジカップと銘打たず開催した試合も2試合あります。
- 2003年5月31日韓国代表戦。東アジアサッカー選手権2003が当時世界的に流行したSARSの影響で開催が延期したことに伴い急遽試合が組まれたため。
- 2004年2月12日イラク代表戦。「イラク復興支援サッカー国際親善試合」として行われたため。
キリンチャレンジカップの歴史
キリングループとサッカー日本代表の関係は1978年に麒麟麦酒が「ジャパンカップ(後のキリンカップサッカー)」の冠スポンサーとして就任したのが始まりです。その後1998年にはキリンビバレッジもJFAとオフィシャルスポンサー契約を締結、さらには2000年に女子代表や世代別代表へとグループの支援対象を拡充しています。
1998年〜2000年
1998年10月にフィリップ・トルシエ氏が日本代表監督に就任すると、就任後最初の国際試合として「キリンチャレンジ」と題してエジプト代表との試合を開催しました。それから2000年まで「キリンチャレンジ」、「キリンビバレッジ・サッカー」と題して開催してきました。そして2001年からA代表の全ての試合において「キリンチャレンジカップ」と題して開催するようになりました。
2010年代以降
2010年代以後は、国際Aマッチ実施日程の関係でキリンカップサッカーが開催できない年があり、本来キリンカップの行われる時期(5月、6月)に、その振替大会として本大会が行われる年があります。
キリン以外によるスポンサード
サッカー日本代表のスポンサーはキリンホールディングスだけではなく、当然国際親善試合のスポンサードも異なることがあります。
三井住友海上火災保険株式会社
2008年からMS&ADインシュアランスグループホールディングス傘下の三井住友海上火災保険株式会社がスポンサー契約を開始しました。全てのカテゴリーの日本代表チームのほか、選手育成、指導者養成、審判、グラスルーツなど、大会事業等を除くJFAのさまざまな事業をサポートするJFAメジャーパートナー契約の第1号でもあります。2015年からはなでしこジャパンの冠試合が開催されるようになりました。
その他のスポンサード企業
過去には日本航空 (JAL)、クレディセゾン(「SAISON CARD」名義)がスポンサードを行ったことがあります。
対戦相手の決定はサッカー協会主導
キリンチャレンジカップをはじめとする国際親善試合の対戦国について決定しているのは、
日本サッカー協会の技術委員会です。日本代表の強化につながりそうな国のサッカー協会に声をかけ、日程調整などをしていきます。そのため、強豪国同士の試合が多く組まれ、現状、日本は強豪国と比べると実績がないなどで、なかなか強豪国との試合というのは難しいのが現実です。
ちなみに、海外の代表チームを呼んで、試合を組むとき相手にファイトマネーといった形で金銭を支払うのですが、その額は強豪国となればなるほど上がっていきます。さらに他にも移動費や宿泊費は日本サッカー協会負担です。
最後に
今回はキリンチャレンジカップについてまとめてきました。
森保一監督を中心にワールドカップ2大会連続でベスト8に進出し、徐々に強豪国として認識されるようになってきたサッカー日本代表。今後はキリンチャレンジカップでも日本国内でブラジルやスペイン、イングランドなど超強豪国とのマッチアップも増えていくことが期待されますよね!