野球中継を見ていて「警告試合」という言葉を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。
でも、「警告試合って何?」「普通の試合と何が違うの?」と思う方も少なくないはず。
そこで今回はプロ野球においての警告試合とは何かということを解説していきたいと思います。
プロ野球の警告試合とは?発令するとどうなる?
警告試合とは、
報復行為や乱闘などを未然に防ぐために審判員が警告した試合のことをいいます。
どういうことかというと、試合中のプレーによって両チームまたは選手間で乱闘や乱闘まで至らなくても一触即発の状態になった場合、報復行為が行われる可能性があると審判員が判断した時に警告試合とします。
警告試合を審判員が宣告した後に死球や危険なスライディングなどが行われ、審判員が報復だと判断した時は理由は関係なく選手や監督を退場処分にすることができます。
警告試合に関して公式野球規則に明言されているわけではなく、セントラルリーグとパシフィックリーグのアグリーメントに記載されています。
【アグリーメント】
セントラルリーグとパシフィックリーグで申し合わせて合意した内容のことをいいます。
プロ野球の警告試合過去の事例
実際にどのような警告試合があったのか見てみましょう。
2戦連続の警告試合
2010年5月4日と5月5日のオリックス対ソフトバンクの試合で2試合連続の警告試合が宣言されました。
5月4日の試合では8回にオリックスの小松投手がソフトバンクのオーティズ選手に死球を与え、オーティズ選手が小松投手に詰め寄り両チームの監督が睨み合う事態となったため審判員により警告試合が宣言されました。
5月5日の試合では7回にソフトバンクの甲藤投手がこの試合で2個目のグレッグ・ラロッカ選手に与えたことにより両チームが揉み合いとなる事態が起きたため審判員により警告試合が宣言されました。
1イニングで3死球による警告試合
2015年5月8日のオリックス対日本ハムの試合で9回の日本ハム攻撃中に4番中田選手、6番大野選手、8番岡選手に対して塚原投手が死球を与えました。
この時に日本ハムの打撃コーチたちがグラウンドへ飛び出したのをきっかけに両チームが一気になだれ込む形となったため審判員により警告試合が宣言されました。
ちなみに1イニングで死球を3つ出した投手はプロ野球では9人のみとなっています。
警告試合宣言後の死球で2投手が退場となった試合
2019年8月13日西武対オリックスの試合で西武先発投手の斉藤投手が1回と3回に死球を与え、4回に2番手の森脇投手がこの日3つ目の死球を与えると両チームがもみ合いになる事態に発展したため審判員により警告試合が宣言されました。
このもみ合いの時に一塁コーチは暴力行為で退場処分となっています。
その後4回にオリックス田嶋投手が西武森選手に死球を与え退場処分となり、9回には西武平良投手がオリックス福田選手に死球を与え退場処分となりました。
危険球でない死球で2人の投手が退場になり、暴力行為で一塁コーチが退場となったので、合計3人の選手、コーチが1試合で退場となりました。
他にもプロ野球以外でも日米大学野球で警告試合が宣告されたこともあります。
記憶に残るのは1998年の阪神対巨人の3連戦で2度の乱闘などにより警告試合が宣言され、さらにはガルベス投手が審判にボールを投げつけるなど3戦連続不祥事を起こしたため当時巨人の監督であった長嶋茂雄終身名誉監督が責任を取って頭を丸めるという事態になりました。
まとめ
警告試合がどのようなものなのか、なぜ宣言されるのか分かりましたか?
最後に警告試合についてまとめると
警告試合は報復行為や乱闘騒ぎなどを未然に防ぐためのルールで警告試合宣言後は通常の死球でも退場処分になることがあるということです。
昔と比べると現在はだいぶ乱闘やもみ合いなどは少なくなってきたように感じます。
昔は選手同士のコミュニケーションが今より希薄なものであったり、外国人選手に血の気の多い選手が多かったり乱闘やもみ合いは頻繁に見られてたので警告試合も昔の方が多かったと思います。
現在は文明の発達により選手同士の繋がりが増えたり外国人選手も昔ほど血の気の多い選手が少なくなってきた影響から警告試合を宣言するのも少なくなってきました。
その中でもまだ完全になくなったわけではないので死球の当て合いのような報復行為は見たいものではないですよね。
警告試合のような制度が必要なくなるくらいお互いスポーツマンシップに乗っ取った行動を心がけて欲しいものです。